IMPRESSIONNISME *市橋 織江

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清々しい光が優しく差し込む空間に広がる曲線の壁。
そこに静かに整然と並ぶ淡い色彩の写真たち。

POLA MUSEUM ANNEXで開催中の、市橋織江さんの写真展へ。

その日はとても暑くて、じっとしていてもしっとり汗ばんでしまうから、
どうしよう、行くのはまた今度にしようか、なんて思っていたのだけれど、
足を踏み入れた会場はそれはそれは凛としながら優しい空気に満たされていて、
到着した瞬間に、「あぁ、来てよかったなぁ」と思えたのでした。




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パリやイギリス、まるで絵画の様に切り取られたどこかの風景、
雨に滲む屋台、静かな水面に浮かぶボートに立って記念写真を撮られる男の子たち、
その瞬間の空気を閉じ込めた写真の一枚一枚は、
絵画のように切り取られているけれど、しっかりと息づいていて。
どの写真を眺めるでもなく、貸切のギャラリーの中央に立ってグルリと見渡すだけで
まるで水蒸気一粒一粒がきらきら輝くような、あるいはしっとりと濡れるような、
そしてその空気と水滴の一粒一粒が心をすーっと撫でてくれるような、素敵な展示でした。


ぜひ。


・・・・・・
Orie Ichihashi
-IMPRESSIONNISME-

2012年6月9日(土) - 2012年7月16日(月・祝)
POLA MUSEUM ANNEX
入場無料
会期中無休
11:00‐20:00(入場は閉館の30分前まで)


  130年前、絵の具を持ってアトリエを飛び出して、
  目の前で刻々と変わる光と空気の
  揺れを描こうとした画家たちのように、
  二度と同じの瞬間のない、
  世界のある美しい一瞬をスナップし続けていたいと思うのです。

  “Impressionnisme(印象主義)”という言葉に出会ったとき、
  空気と印象を写したいと願うことは決して間違いではないのだと、
  心がストンと静まった気がしました。

  印象主義という、今ではお馴染みの絵画の中に実は、
  自分の写真と通じるものがあるのではないかと考えたことが
  今回のテーマが浮かんだきっかけでした。

  それまでの形式主義的、写実主義的表現から
  戸外制作をすることによって
  光や空気の変化や印象を描こうとしたこと。

  聖書や歴史や肖像は主であったモチーフが
  身近な風景や人物の動きに変化したこと。
  常に変わる風景の、ある一瞬を描くこと。

  当時、写真の出現により、
  絵画のあり方が印象派へと変わった事実に対し、
  今、写実の象徴である写真を使い、
  印象を写そうという逆説的なこともちょっと面白いものだと思っています。

  市橋 織江




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